院長のひとり言

”ナトリウムが多い食事”について

本日は、“ナトリウムが多い食事“について呟いてみたいと思います。

ナトリウムが多い食事についてお話しする前に、低ナトリウム血症の患者さんがナトリウムを多めに摂取したい場合に、どういったものにナトリウムが含まれているのか?というお話になりますが、低ナトリウム血症とは、血液中のナトリウムという電解質が低下する病気です(あたりまえと思われるかもしれませんが)。

低ナトリウム血症の症状は、意識障害、指南力低下(今日が何月何日か、自分がどこにいるのかなどが分からなくなること)、無力(力が入らないこと)、昏睡(目を閉じたまま、反応がないこと)、興奮、筋肉や全身のけいれんなどがあるといわれております。

低ナトリウム血症の原因のうち、血液中のナトリウムが低下する病態である場合

①腎臓からのナトリウムの喪失:利尿剤、尿細管性アシドーシスなど

②腎臓以外からのナトウリムの喪失:嘔吐、下痢、熱傷など

が考えられますが、その際にはナトリウムの摂取を増やす必要があります。

ナトリウムは元素のひとつですが、食塩として経口摂取されることが多く、塩、しょう油、味噌などに多く含まれております。

日本人は他外国の人と比較して、1日の塩分摂取量は多めであるといわれており、1日の平均塩分量は、男性11g、女性9.3gという報告もあるようです。私個人の意見としましては、低ナトリウム血症であるからといって、塩・しょう油・味噌などを好きなだけ取ればよいということにはならないと考えております。

また、慢性腎臓病の患者さんでは、1日の塩分摂取の目標量は、3-6g/日と少なめの摂取が推奨されております。

食品に含まれている塩分量の1つの例として、梅干しは(塩漬けの場合)、20gの梅干し中に、食塩が3.6g含まれているという報告もあるようです。

低ナトリウムの患者さんは、10g程度の梅干しを1日1個食べてみるといった調整もありかもしれません(私の個人的見解ですが)。

いずれにせよ、低下トリウム血症のある患者さんは、主治医の先生に、塩分の摂取も含めてご相談されるのが良いかと思われます。

関連記事