院長のひとり言

クローン病について

今日は、クローン病について呟いてみたいと思います。

クローン病は、小腸と大腸を中心に口から肛門までの消化管のあらゆる部位に、慢性的に炎症が起こる病気です。現在日本で7万人以上の患者様がいらっしゃるとされております。

原因はまだ完全には明らかになっていませんが、患者様本人にクローン病になりやすい体質がわずかにあり、それに加えて食事や腸内細菌が複雑に関連して、腸の壁の中の炎症を制御している体の成分が誤作動を起こして、発症するのではないかといわれております。

TNF-αという単一のサイトカイン(炎症にかかわるたんぱく質)を抑えることで、劇的にクローン病の病気の勢いを抑えることが判明したことをきっかけとして、近年、Th1細胞、Th17細胞(いずれもヘルパーT細胞)が、クローン病の病状に中心的な役割を果たすことが分かってきました。目まぐるしく新規治療薬が開発され、症状がおちついて寛解とよばれる体調の良い状態を継続できる選択肢が増えてまいりました。

当院では、腹部超音波検査(腸管を見るいわゆるエコーを含む)、胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査、腹部単純CT検査などにより、クローン病の診断治療を行うことができます。

慢性的な下痢・腹痛などでお困りな患者様は是非、当院をお気軽に受診いただければ幸いに存じます。

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