院長のひとり言

“閉塞性動脈硬化症(ASO)”について

今日は閉塞性動脈硬化症(ASO)について呟いてみたいと思います。

ASOは、腹部大動脈~腸骨動脈領域より足側の下肢動脈に狭窄あるいは閉塞をきたし、それによる虚血症状を呈する疾患と定義されております。

60歳以上になると、ASOになる患者さんの数は急上昇するといわれております。ASOのリスク因子としては、高齢であること以外に、男性であること、慢性腎臓病・透析中、高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙などがいわれております。

外来通院中の安定した患者さんであっても、ASOにかかっている患者さんの年間の死亡率は4%に近いという報告もあります。

症状としては、間欠性跛行(一定の距離を歩くと、ふくらはぎなどに痛みやしびれ、疲れが出現し、歩けなくなる)、足の蒼白(青白いこと)、足の皮膚温度の低下、患肢の痛み、虚血性の足の潰瘍、下肢の筋肉の萎縮、レイノー現象(冷たい刺激や精神的な緊張により、足の血流が一時的に悪化する)などといわれております。

検査は、まずは足関節上腕血圧比(ABI、Ankle-Brachial Index、エービーアイ)の測定を行います。

当院では、ABIを測定することができます。また、心臓から足首までの動脈の硬さをみるCAVI(Cardio Ankle Vascular Index、キャビィ)、足の血管の石灰化が進行していて、ABIが見かけ上正常にみえる患者さんでもASOを評価することができるとされるTBI(Toe Brachial Pressure Index)も検査できます。

ASOではないかとご不安な患者様は是非、当院への受診をご検討くださいませ。

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