院長のひとり言

”クローン病患者さんの食事・喫煙・飲酒”について

今日は、“クローン病患者さんの食事、喫煙、飲酒について”、呟いてみたいと思います。

まず、タバコは禁煙が必須です(ダメ、絶対です)。これは、私が呟いているだけではなく、周知の事実とされております。

クローン病患者さんで、病気を発病してからクローン病が悪くなり、初回手術が必要になった患者さんを検討させていただいたところ、タバコを吸っている患者さんのほうが、タバコを吸わない患者さんと比べて、初回の腸管の手術率が高かったという報告を、私も以前にしております(Ishii M, Digestion 2017; 96: 158-165)。喫煙している患者さんは、発病10年で55%が、20年で82%が手術を受けられておりましたが、喫煙歴のない患者さんは、発病10年で32%、20年で61%の手術率でした)。

次に食事についてですが、活動期と寛解期で食事のとり方は異なります。

まず、活動期ですが、活動期とは、ざっくり申し上げますと、発熱・腹痛・下痢などがある病状の時であり、症状がひどいときは、腸管を安静にする目的で、入院、絶食、点滴治療が必要になることもあります。

活動期の食事は、低脂肪、低残渣、低刺激、高たんぱく、高カロリー食が基本とされております。

寛解期は、ざっくり申し上げますと、腹痛・発熱・下痢などの症状がなく、血液検査や画像診断でも病状が落ち着いているときのことを指します。

寛解期の食事は、厳密な食事制限は必要としませんが、低脂肪食のほうが望ましいとされております。また、腸管が細くなっている患者さん・腸閉そくになったことがある患者さんは、食物繊維の多い食事をとると、腸閉そくを起こす可能性があるため、食物繊維の多い食事は控えるほうが良いとされております。また、エレンタール®、ラコール®、エンシュアリキッド®などの経腸栄養剤は、低残渣・低刺激であり(特にエレンタール®は特に低脂肪でもあります)、それらを摂取することで、1日の栄養における相対的な脂肪摂取量も減らせるため、摂取が推奨される薬品です。

食物繊維の多い食事とは、根菜類の生野菜、きのこ類、海藻類、こんにゃくなどです。

飲酒に関しては、寛解期では、少量の飲酒は問題ないとされておりますが、活動期には禁酒したほうが良いといわれております。

クローン病に罹患している患者様、クローン病ではないかとご心配な患者様、何かご不安な点がございましたら当院を受診いただければ幸甚の極みです。

関連記事